『いつでも』滑れる環境とは?

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関東で大雪が続き、交通網は完全に麻痺。多くのスキーヤーが、スキー場へ行けない、家へ帰れないと大騒ぎしています。

以前、アチコチのスキー場へ出向いてレッスンをしていた時代がありました。
例えば、明朝新幹線で長野駅に到着する受講生。
到着時間までに、実家の兵庫県から500kmの道のりを運転していました。もちろん、常に良い天候ではなく、このような交通網が麻痺する中でも、眠たい目をこすり、事故のリスクと隣り合わせで現地まで。

帰り道も、高速道路が通行止めであろうが、何としても帰らねばならない事もあり、0泊3日のスキー指導と言う事が頻繁にありました。
ひどい時は、兵庫県を出て、岐阜県で指導、翌日長野県、翌日家の前を通り越して兵庫県の北部で指導。
帰り道は、家まで数十分のところで、運転席のまま6時間程寝ていました。

多くの人が、すごいね、と讃えてくれましたが、私の考えは全く違いました。
間に合わなければ、受講生を迎えに行く事ができなくなる。受講生は視覚障害、車椅子を使う方、自閉症など、迎えに行かなければ困る方ばかりでしたから、知らない場所で『ちょっと待ってて!』とは言えません。待たしてごめんね!というレベルではないのです。

何人かの方が、私もボランティアで指導したい、という申し出がありましたが、私のようなリスキーな活動をしてもらう事はできず、お願いする事はありませんでした。

障害者スキー振興協会の活動目標の一つ『いつでも』は、現地にいるインストラクターが指導するという事です。現地にいますので、指導者側の移動のリスクや負担はありません。これは、しっかり安全に指導する、という事に繋がります。言い方を変えれば、以前の私の活動は、眠い目をこすりながら滑っていた訳ですから、安全性に欠けていたと思います。

今回の大雪で、いくら4駆でも、いくらスタッドレスでも、前の車が止まれば、道が塞がれば、どうにもならない事を知った方も多いと思います。

大変な状況の中の移動は、思い出でも武勇伝でも何でもありません。ある意味、失態だと考えています。

私個人ができなかった事、受講生を『いつでも』安心して迎える体制を整える事。
これをしっかりと築く事が、協会の活動目標の一つです。
津川

 

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